私は幼少期から人前で話せなかったし、
思春期になってもそれは変わらなかった。
人の目が怖い。
一種のトラウマになっていたのである。
泣き出したこともあった。
だから、正直今回の発表も不安だったのだ。
それは準備のときから始まっていた。
「ああ、うまく話せるかしら。」
「震えたり、噛んだり、声が裏返ったりしないかしら…。」
資料のチェック中、ずっと考えていた。
しかし、途中でやめようとは思わなかったのである。
「少し頑張ってみよう。きっと人前で話すってことは私が有名デザイナーになったときに
避けては通れない道なんだわ、そうよ!これはチャンスなのよ!苦手克服のチャンス!」
発表当日、まずは休まなかったことが1つの成果。
次に心配していたスライドの操作はうまくできた。
練習中はどのタイミングで操作すればよいか分からず戸惑ったが、
先生が分かりやすく合図をくれたのでできたことだと思う。
最後にここわのここちゃんを紹介できたこと!
一生懸命仕上げたキャラクターがいるというアピールができたことが嬉しかった。
発表が終わった後のあの拍手の音、心の奥がじんわり温かくなった感覚。
忘れてはならない瞬間だった。
ここわの名を背負ってここわの一員としての任務を果たすことができた!
家に帰った後もその興奮はおさまらなかった。
とても良い経験をした。
経験を経験だけで終わらせない。
その次に繋げるために何ができるかを考え、実際に行動する。
自分が動かなければ未来は動かない。
今日の自分は明日の自分。
少しの行動がいつか大きな力になる。
だから、私はここわに通う。